ピアノが弾けるからってオルガンは弾けない

どうも!タラッタです。

前回の記事「私の大好きな楽器のひとつ「パイプオルガン」(organ) 」では、パイプオルガンの説明をざっとしました。まだの方はぜひお読みになってみてください。

今回は、「ピアノが弾けるからってオルガンは弾けない」ということについてお話しします。私のオルガンの先生もおっしゃっていたことで、私も同じようなことを思っています。

(オルガンというのはもちろんパイプオルガンのことです。)

オルガンのことを知らない人にとっては「指さえ動けばどちらも弾けるんじゃないか?」と思うかもしれませんが、前回の記事をお読みになっているのでしたら、今回のお話はきっと理解できるかと思います。

オルガンには基本的に足鍵盤がありますが、ピアノにはありません。この時点で、ピアニストがオルガンを弾く場合は、恐らくオルガンのレッスンを習ってきていないと無理です。

なので、ピアノが弾けるからといってオルガンは弾けません。

また、少し難しいお話になりますが、ピアノの鍵盤のやタッチ(弾き心地、弾き具合)や音の出る仕組みとオルガンのそれらは全然違います。

まずピアノの鍵盤をイメージしてみてください。

・・・・・

・・・いかがですか?そして音を出している様子もイメージしましょう。ピアノは身近な存在のため、イメージは難しくないと思います。

そのイメージを持ったまま、オルガンと比較してみましょう。

オルガンも、ピアノのように指で手鍵盤を弾くわけですが、ピアノに比べてタッチにムラがあります。軽く感じるときもあれば、かなり重く感じるときもあります。

前回お話しした音色づくりの仕方によって、軽くなったり重くなったりしますし、1段目の手鍵盤のほうが2段目より軽いとか、各地のオルガンの個性が強く出たりもします。

まあ、こんな説明をしても分かりにくいかと思いますが、次のような決定的な違いがあります。

それは、オルガンは弾き方を弱くしようが強くしようが強弱は変わらないのと、鍵盤を押している最中はずっと音が鳴り続けるという点です。

ドの音を力強くたたいても、ピアノのように勢いよく音は出ません。弱く弾こうが強く弾こうが、鳴る音は全て同じです。

「じゃあどうやって強弱をつけるの!?」

ってことになりますが、実はつけられるんです!

その方法は大きく分けて3つあります。

ひとつは、強く音を出したいところは選ぶ音色を増やしたり派手な音色を選ぶということです。

これは弾いている最中に即興的にストップをいじってやることもありますが、大抵は、弾く前にあらかじめオルガンのメモリー機能に音の組み合わせを記憶させておき、演奏中に呼出しボタンをいじって瞬時に音色を変えます。

オルガンの演奏をよく聞いていると、音色の数が変わっていたり、鳴っているパイプが変わっていたりすることが分かりますので、これがオルガン音楽の鑑賞の魅力のひとつでもあります。

また、手鍵盤は大抵は複数段あるので、その弾き分けによっても強弱を機械的に表現できます。
さらに、デカいオルガンには足元にクレッシェンドペダルというものが足鍵盤の奥に付いており、これを演奏中にいじることで音色を増減することもできます。

二つ目は、スウェルペダルの調節による音量の加減です。このペダルはほとんどのオルガンに付いており、クレッシェンドペダルと同じく足鍵盤の奥についています。

オルガン本体には、箱に閉じ込められたパイプ群(スウェルボックスという)がありますが、ここにはスウェルシャッターというのが取り付けられています。

演奏中このシャッターを開いたり閉じたりする際に使うのがスウェルペダルで、シャッターが閉じればスウェルボックスのパイプから鳴る音は小さくなり、開けば大きくなります。そういえば、家での会話が近所に筒抜けにならないように窓を閉めるときがありますよね。逆に窓を開ければ聞こえやすくなります。それと同じ原理です。

三つ目が一番オルガンの肝となるところで、弾き方(アーティキュレーション)で強弱が付いているように聴かせるということです。

これはピアニストがオルガンを習うときに大変苦労するところです。ピアノと同じように弾いてはオルガンの音は生きないからです(鳴らないわけではないですが)。

やはり、音楽が呼吸している魂ある音を出すには、オルガンにはオルガンに見合ったテクニックが存在します。細かいことはここでは言及しませんが、弾き方を工夫して、強弱が付いているように聞こえるようにするのは大変難しく、また醍醐味でもあります。

以上の3つを駆使して、オルガンでは強弱をつけます。

ピアノは繊細に強弱が付けられ、プロ級になると音色もタッチ次第で変えられるのですが、オルガンはずいぶんシステマティックで、音色もストップという物に頼らないと変えられません。

しかしオルガン好きな者にとっては、これがまた大変興味深く面白いのです。

あと、電子オルガンという、1人でオーケストラが弾けてしまう楽器がありますが、あの先祖にあたる楽器が今回ご紹介しているオルガンです。なので、弾く曲のジャンルは違えど、同じような趣があるように思います。

ただ、電子オルガンとオルガンの鍵盤のタッチ感は全く違い、奏法も異なります。足鍵盤の数もタッチも違うし、ストップの概念の解釈も異なってくると思います。

そのため、電子オルガンが弾けるからといってオルガンは弾けません。たまに電子オルガン専攻者の中にアルバイトで結婚式場でオルガンを弾く人がいますが、オルガンの先生も私も「あれは失礼極まりない」と考えています。

誰に失礼か?・・・新郎新婦と親族の方たちにです。たしかに指も足も動くのでオルガンを弾けないことはないでしょう。でも、オルガンを習わずしてオルガン奏法を習得しているとは考えにくい。そんな状態で人様の大切な場でお金目的で演奏しようだなんて、あってはならないのです。

「どうせ素人には分らないだろ」

という奏者もいるかもしれませんが、その考え方は詐欺師同然です。

もちろんオルガンをきちんと習っていれば良いのですが、そんなこともないはずの人がある日突然「今度結婚式でオルガン弾くんだ~」と得意顔でアピールしてきたら「えっ!?」ってなります。指や足さえ動けば良い・・・そんなわけはないのです。趣味範囲であれば文句は言いませんけれどもね。

では、今回はこの辺までにしておきましょう。私オルガンが本当に好きで、話し出すと止まらなくなりますので 笑

 
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