声種のちょっと細かな分類

どうも、タラッタです!

今日は、クラシック声楽における声の種類、つまり声種について。気付いてみれば今まで声種の基礎的なお話をしてこなかったので、ここで改めてしたいと思います。

まず、声種は、大きく分けて以下の6種類があります。

・ソプラノ
・メゾソプラノ
・アルト(コントラルト)
・テノール
・バリトン
・バス

原則的には、上に行くほど歌う音が高く、下が低い声種です。

これらは、基本的には声域(声の音域)で決まってきます。
でも、そればかりではなく、声質や性格等も加味されます。

また、それぞれの声種は、タイプを細分化することができます。今回はその点を見ていきましょう。

声種と、それぞれのタイプ

それでは、ひとつずつ、主観的に 説明してまいります。

最高レベルで細かいカテゴライズをしているわけではないので、専門の方にはあまり参考にならないかと思います。

下記の中には有名な声楽家の例をあげていますが、CDのご紹介もしております(リンクはAmazonへ飛ばしています)。「動画」については、権利などの都合で公式アカ等のものしか取り上げておりませんので、何卒ご了承くださいm(__)m

ソプラノ

女性としてのかわいらしさや若さ・幼さ、崇高さ、そして愛おしさや明るさの表現に適す声域のように思う。

日本のアイドルとか可愛い系タレントはソプラノのイメージが強い。元々声が低めの女性でも、男に媚びるとソプラノになったりするから不思議だ。

コロラトゥーラソプラノ

コロコロと転がったり跳躍する旋律を専門とするソプラノ。
同じ人間の声帯とは思えぬほど、超技巧的なパッセージを歌う。
曲例としては、モーツァルトの 夜の女王のアリア(~「Die Zauberflöte(魔笛)」)がある。
私は、自称コロラトゥーラソプラノさんがあまり好きではない。

ソプラノ・レッジェーロ

軽やかで可憐な声。かわいらしく、愛おしい。
高音や技巧的節回しが得意。
個人的には、バロック声楽家の Emma Kirkby(エマ・カークビー) がこの部類だと思う。
Kirkby は声も容姿も綺麗なお方!

Emma Kirkby のCD例
⇒「The pure voice of Emma Kirkby

ソプラノ・リリコ・レッジェーロ

レッジェーロよりは幾分落ち着いた、甘くて優美な声。
高音域のみならず中音域もいける。
が、あんまり聞いたことのない声種。
わざわざこうやってカテゴライズする必要あるかな・・・。

ソプラノ・リリコ

最も一般的なソプラノと思われる。
リリコという文字通り、叙情的な声。
高い声が出せるが、中音域も充実。

ソプラノ・リリコ・スピント

リリコより深く、太めの声。
重量感があり、力強い印象。
これもあまり聞いたことがない。
私の勉強不足なのかもしれんが、ここまでカテゴライズする必要は…(ry

ソプラノ・ドラマティコ

ドラマチックな表現が得意なソプラノで、
高音はもちろん、低音までをカバーし、太くエネルギッシュな声。
真っ先に思い浮かぶは、Jessye Norman(ジェシー・ノーマン)。

Jessye Norman のCD例
⇒「アメイジング・グレイス~ジェシー・ノーマン名唱集

メゾソプラノ

大人びた女性らしさ、艶やかさや色気、そして包容力や母性を醸し出す上で適している声種だろう。オペラなどでは、少年役や魔女役を担当することもある。

日本人の女性の多くがもっと落ち着いた声で喋れば、案外メゾソプラノのような落ち着いた感じの声で話せるのでは?と個人的には思う。

コロラトゥーラメゾソプラノ

声質は割と厚みがある感じにもかかわらず、コロコロと節を回すのに優れているメゾソプラノ。
Vivica Genaux(ヴィヴィカ・ジュノー) はここに入ると思う。
Cecilia Bartoli(チェチーリア・バルトリ)もこの部類のはずだが、声質はドラマティコ。
だから、細かいカテゴライズなんてあんまり重要ではないと私は思うなあ。

Cecilia Bartoli のCD例
⇒「Cecilia Bartoli – Rossini Arias

メゾソプラノ・リリコ

ソプラノに近いメゾソプラノ。
比較的軽めの声だが、ソプラノよりは大人びた、あるいは陰のあるイメージ。
ん~、役で言うと「Le nozze di Figaro(フィガロの結婚)」に出てくる、あの生意気なクソガキあたりかな。

メゾソプラノ・ドラマティコ

ドラマチックな表現を得意とし、太くて厚い声。
幾分雄々しい気がする。
先ほどあげた Cecilia Bartoli はこの声質を持っていると思う。

アルト(コントラルト)

女声の最低声で、太い。優しく包み込むオブラートのような声の人もいれば、歌手の和田アキ子さんのように男性的な声を出せる人もいる。

代表的な声楽家は、Nathalie Stutzmann(ナタリー・シュトゥッツマン)。

Nathalie Stutzmannは本物のアルト歌手だ。

Nathalie Stutzmann のCD例
⇒「Bach, J.S.: Cantate Imaginaire

アルトは、ソプラノとかのように声質によって細分化されることは特にない気がする。
そもそも、日本人のアルト歌手自体希少である。

人によってはテノールの低いほうの音域まで出せる。
とあるアルト歌手は、合唱でテノールを担当したことがあるらしい。

ただし、合唱などでは、ソロと違って意味合いが少し違う。
合唱だと、ソプラノに対して低い旋律を受け持つパートのことを意味することが多い。
その場合は声種でいうところのアルトとは別物と考えるべきだろう。

男声が歌う女声(男声アルト)のことをカウンターテナー(後述)という。

テノール

テノールは、基本的にテンションの高いイメージがある。
若さや勇ましさ、潔さや清楚さなどを表現するにふさわしい声種だろう。

個人的には、王子様といったイメージも少なからずある。
が、神がかった 上品で崇高なテノールには脳内までもが痺れてくる。

テノーレ・レッジェーロ

最も軽く、高い声。中性的な雰囲気が漂っている。
速い旋律や繊細な表現を得意とする。
テノール界の貴公子 Ian Bostridge(イアン・ボストリッジ) はこの部類かもしれない。

Ian Bostridge のCD例
⇒「イングリッシュ・ソングブック~英国歌集

テノーレ・リリコ

最も一般的なテノールと思われる(←一般的って?)。
高らかで輝かしい声。爽やかな印象を受ける。
かの Luciano Pavarotti(ルチアーノ・パヴァロッティ) はここに属するような気もするが、彼はもはや Luciano Pavarotti という声種だろう。

Luciano PavarottiのCD例
⇒「Pavarotti Forever

テノーレ・スピント

重量感があって力強く、がっちりした声。
雄々しさがあり、勇者を思わせる。
パッと聴いた印象では、バリトンっぽく聞こえることがあるかもしれない。

テノーレ・ドラマティコ

テノールで最も重く、野太い声。
圧力や劇的さを感じる。
ドイツオペラの重い声の役では、ヘルデンテノールと呼んだりするらしいが、聞いたことない。

バリトン

「ザ・男です」的な声種のように思う。野暮ったさや平凡さから、強さや男らしさを表現するのに適しているだろう。

プロのバリトン歌手たちは素敵な歌声を持っているが、一歩間違えれば「ありがちな声」として没個性となってしまうように思う。

ちなみに、多くの女性にしてみれば、バリトンボイスが一番聞き心地がイイ・・・と どこかで聞いたことがある。

ハイバリトン(テノールバリトン)

テノール的要素を兼ねた、高めの(軽めの)バリトン。
バリトンの一種で、テノールよりは低い。
多分だが、日本人男性に一番多い気がする。
ドイツリートで名高い Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) もこの部類ではないか?

Dietrich Fischer-Dieskau のCD例
⇒「Dietrich Fischer: Dieskau Great EMI Recordings

バリトン・ブッフォ

オペラ・ブッファ(喜劇的オペラ)の中で、早口で軽妙に歌う役を担うバリトン。
役で言えば、「Die Zauberflöte(魔笛)」の Papageno(パパゲーノ) とかかな。

バリトン・リリコ

叙情的表現を得意とし、やわらかで甘い印象のある声。
色気があるように思うが、どうだろう。
(そろそろ書くのが疲れてきた・・・)

バリトン・ドラマティコ

ドラマチックな表現を得意とし、強くたくましい太い声。
重量感がある。
ここまでカテゴライズして、果たしてどれだけ意味を成すのか・・・。

バスバリトン

ハイバリトンの逆バージョンで、バス的要素を持つ低いバリトン。
コンサートのプロフィールなどでも、たまに見かける表記かもしれない。
バスでもなくバリトンでもなく、バスバリトンはバスバリトン。

バス

女声のアルトと同じく、日本人では希少である。
これも細分化されないと思う。

バスバリトンと比べても声域はほぼ変わらないが、より深く厚く、地を這ってくるような感じがする。

王様や悪魔など、偉大なる役柄を演じる上で適しているかもしれない。
バス歌手には体もデカい人が多く、舞台映えも半端ない気がする。

少し古い人でイギリスのバロック声楽家 David Thomas (デイヴィッド・トーマス。アメリカのシンガーとは別人)がいるが、彼はバス歌手の割に威圧感がなく、私としては割と好きな声だ。

David Thomas の歌が入っている CD例
⇒「Handel: Messiah

その他の声種

以上では、6つの声種を細分化して分類してみました。
細分化の仕方や、それぞれの明確な定義はけっこう曖昧だったりしますが、
まあ、だいたいこんな感じです!

ってことで、参考にしてみてください♪

では、最後に、このふたつを・・・。

  • カウンターテナー
  • カストラート

では、説明していきましょう! 

カウンターテナー(含 ソプラニスタ)

裏声をうまく活用し駆使した、男性が出す女声のこと。
声量はやや劣るが、神々しくデリケートな声で、時に女声よりも艶やか。
カウンターテノール、コントラテノーレ、男声アルトや男声ソプラノともいう。

テノールの一種とも捉えられるが、発声法は大きく異なる。
基本的に声域はアルトとほぼ同じで、人によってはメゾソプラノやソプラノの声域を得意とする。

ソプラノのカウンターテナーのことをソプラニスタと呼んだりするが、岡本知高のごとく、声変わりを経ずにソプラノ声のままの人も稀に存在する。
この場合、後述のカストラート同様、男性としての声量によるソプラノを聴くことができる。

岡本知高のCD例
⇒「ジパング-心に響く、日本のうた-

また、アルトより低く、テノールの声域を担うフランスのカウンターテナーをオートコントルと呼ぶこともある。これは、極度に高いテノールとも捉えることができるかもしれない。

カウンターテナーは、基本的にルネサンスやバロックの音楽で活躍するが、現代ではオペラでメゾソプラノの役を担ったりすることも多くなっている。

カストラート

男性を去勢し、男性ホルモンの分泌を不可能にすることで、声変わり前の高い声を人為的に保った声種。

成長ホルモンは分泌され続けるため、身体だけは大きくなるが、声はソプラノのままの声であり、力強く、野生的で官能的なソプラノ声を持つようだ。

17~18世紀のヨーロッパで最盛期を迎えたが、19世紀半ばにローマ教皇によって、人道的・倫理的な理由で禁止にされた。

史上最後のカストラート歌手は Alessandro Moreschi(アレッサンドロ・モレスキ)で、世に録音が残っているので、興味があったら是非聴いてみてほしい。

カウンターテナーの寄せ集めCD『ALTUS 奇跡の声』に、
ボーナストラックとして一曲だけ Moreschiの貴重な歌声が収録されている。

⇒「ALTUS 奇跡の声

ボーイソプラノ・アルト & ガールソプラノ・アルト

あと、ほかには、ボーイソプラノとかボーイアルトという声種…というか歌手も存在する。

ガールソプラノやガールアルトというのも聞いたことがあるが、まずこの表記は見ることは稀だ。
だが、幼女や少女の声はまだ子供の声だから、ガールソプラノ・アルトと呼んでもおかしくはないはずだ。

まとめ

今回は声種に関するお話でしたが、いかがでしたか?

今回ご説明した内容は、必ずこう定義されている!!というわけではないので、
軽い気持ちで参考にしていただけたら幸いです。

あなたはどんな声種ですか??

日本人って、普段はけっこう不自然な声で喋っていたりするので、本当の自分の声が何なのか、まだ分からない方も多いと思います。

リラックスして正しい発声法で発する素の声こそ、あなたの本当の声♪ ボイストレーニングなどにおもむいて、一回それを見つけてみてはいかがでしょうか?

今日は、ここまでにしたいと思います。
長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます!☆

ではまた!にんにん♪

 
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